ヘタミュが性癖に突き刺さった話
自分の感情まとめるためのまとめ
自分の感情の整理のためにやったのであんまりまとまりはない。
ヘタリア、学生時代めちゃくちゃ流行ってたしふつうに好きだったしそこそこ履修してたけど、自分の思い入れが強いジャンルというわけでもなく、これといった推しはいなくて節操なく楽しんでた感じのジャンルだった。
ヘタミュの公演とかは終わってだいぶ経ってたけどちょっと話題になったときにヘタリアが青春ジャンルだった後輩と登録してた配信サービスでSWを見て、おもしろくてなんか懐かしかったのでなんかいろいろ見返したりした。
そのタイミングで「英好きでは…?味覚音痴好きでは…?普好きでは…?」となんか直感的に思い直したりした。
自粛でわりと時間を持て余していたため、軽率に配信されていたヘタミュ第2弾と第3弾を見た。
これの脚本の味覚音痴がものすごい性癖に刺さった。
実際の歴史やらなにやらはいろいろすっ飛ばして脚本のあれの感じでまとめます。
当然ネタバレ
ヘタミュGW
味覚音痴に焦点をおいたまとめ
序盤の英(と米)
・自分自身を見つめなおして、自分を活かした戦い方を見つけて強くなる英。独りで強く逞しく生きていけるひと。
・そして独りで強く逞しく生きていけるからこそ、庇護できる存在に出会えるまでに至り、庇護する存在に頼られる喜びを知る。
・ただ「弱いものが愛しいから守りたい」という純粋な庇護欲だけではなく「潤沢な資源を持ちつつまだ文化は発達していないため利用できる存在」でもあるので、利用の意味合いがある。強かな男が持つ純粋な愛情なんてものは本人が一番信じないが、利害の一致からはじまる関係だと素直に受け入れることができる。
・自分が向けた愛に応えてもらえることで愛しさが募る。
・世界を知らず、純粋故に持っている夢に感化される。
・それに感化されたこと、そして庇護する存在にあらためて自分を選んで欲しいという強い感情をもって、自分も新たなる一歩を踏み出せる。
中盤の米
・最初は「永遠にこのままでいたい」と思っていたけど、夢を叶えるためにお金がかかり、自分を守るためにもお金がかかり、自分が負担になって相手が苦しくなってると知り「本当にこれでいいのかな?」と考え始める。
・相手のために円満に独り立ちしたかったけど、強く拒まれたため強く独立を宣言する。
中盤の英
・米が独り立ちしたら潤沢な資金源を失ううえに、自分より強くなって脅威になる予感もあったため「今のうちにぶっ潰す」と潰しにかかる。
・「お前の考え全部俺譲り」とあるようにかつて自分が世界に歯向かったように米も自分に歯向かうだろう予感はあった。でも「全部俺譲り(自分がいろいろ教えた)」だからこそ相手の行動を読めるため、勝てるはずだった。
独立後の2人
・米が独立した後。失墜する英、発展する米となり、各々でいろいろがんばる。
・いろいろ気まずい部分もありつつ、英は米の成長を感じてはつっかかるし、米は落ちぶれた英を見たくないって思う。
・米は自分が成長している自覚があるし、英も自分が落ちぶれた自覚がある。
終盤の2人
・みんなが絶体絶命のピンチのときに「自分が憧れた英」が現れてくれる。
・お互いと過ごした時間、別れてから独りで過ごした時間、そのときの心情を殴り合いながらぶつけ合う。
・失墜しても成長した米に優位をとれる英、そして成長して英と対等に殴り合えるようになった米。(「おれの正義のロックパンチを受け止めた」「その言葉が聞きたかった」)
・それでもやっぱりとどめはさせない英。
・そしてかつて自分が憧れたひとはやっぱり自分が憧れるに値するひとだったし、どうあっても自分のことを倒せないひとだった。
・「あのときのあなたは本当にかっこよくてヒーローだった。今の自分はそれだけのものになれてるかな。自分のところにきてくれてありがとう」ってあなたのすごさを理解し、それを伝えられるだけのものに成長したんだよ…。
「栄光と挫折、そのすべてがおれの血となり肉となりこのおれを形成している」「あの時のあの競争が無かったら夢の開拓は程遠い」っていう言葉が好き。いままでの過程があって今があるってことだから。
打算からはじまった愛情、そこから発展していく感情が好きだし、独りで逞しく生きてきたのに子どもを育てることで心が柔らかくなった大人と、大人におんぶにだっこじゃだめだって気が付ける子どもの関係が好きだし、最後にちゃん感情のぶつかり合いをして、対等な存在になれる関係が好きだ…
最初はお互いに永遠の兄弟関係を望んでいたけど米は段々独立しようと思うところとか、
英も「いつか独立したいって言いだすんだろうな」って内心思ってたっぽいけどそこから目を背けてなあなあに一緒にいようとしたところとか、
対等になりたいから独立しようとした米と、
一緒にいたいからこそ気を使っていた英(対等に扱っていなかった)っていう関係からの発展が最高だった。
このあたりの文脈、別件で6年くらいかけてじっくりゆっくりことことと履修してたせいでもう「それ」が性癖になっちゃったんですよね…。
それを2時間くらいの作品にぎゅっと詰められてぶんなぐられたのでなんかもう大混乱でした。
あらためて書いてまとめてみたら本当に性癖ドストライクでちょっと笑えてくるね。
すっ飛ばしましたが極東兄弟との対比もよかった。
味覚音痴みたいにべったりとした愛情はなかったし、最初から巣立つつもりだった日と、一切引き留めずに見送る中。
でもお互いに自分たちなりの情はあったよっていうのがよかったな。
あと仏と英の関係ありがたかったな…。
お膳立てしてくれたわけだけどそういう素振りは見せず、あくまでお遊びとして消化してくれる。
まあ米の独立お膳立てしたのも仏なんだけどな。
そんな感じでGWにぶん殴られてめちゃくちゃになっちゃったので勢いで第三弾も見たらそっちにも性癖男がいてぶっ倒れた。
ヘタミュNW
普
・物語の案内人として舞台の上にいて観客はその存在を認識できるけど舞台上の人物は認識していない。ゆえにわりと自由にふるまう。
・どんなんなっても行動も考え方もポジティブ。
・神ロの現状、世界の現状を把握し理解しながら自分が生き残る道を選び取る。
・「自分が生き残る道」でありながらも「独」としてまとまる道を選んでいるため、自分が生き残る道というよりは次の世代に託す方向に向かっている。
・自分が「いなくなる側」になる選択ができる
・次の世代に自分が体験したことを教訓として残しつつ、「自分に似ていることが心配」と独とのつながりと心残りをこぼしつつ「きっと立派になって自分たちの頃よりいい国になってるはずだ」と希望の言葉を残してくれる。
・「今はもういないひと」でありながら「もしかしたらいるかもしれないひと」
いろいろと数え役満でびっくりした。
こういうキャラ好きなので…。
あとGWであんだけきれいに味覚音痴の独立まわりを描いておいて、税関係での「こういう小さないざこざが後に大きな戦いを引き起こすことになった…」という
「まあこういう側面もありました」っていうの描いてくるのヘタリアって感じがしてめちゃくちゃ好き
英も味覚音痴も普も直感で好きになった気がするのに見事に性癖でなんかびっくりしたよ…。
こっからふつーに雑感
ありきたりだけど残しとこうというあれ
ヘタリアみたいな短編わちゃわちゃ漫画が基本の作品を独特なゆるい雰囲気を残しつつよく一本の話にまとめたな…と感心しました。
一本の話にまとめつつ、原作のネタもしっかり取り入れつつ、でもミュージカル独自の解釈でやっていくみたいなのよかったな。
原作とも史実とも違う部分もなんかおもしろかった。
史実詳しくないから楽しめてるなとも思う。
史実詳しくないけど史実フィクションっておもしろいのでなんか好きなんですよね。解釈が好きだから
「歴史の本を開いてもヒントだけしかわからない」っていうSWOPの歌詞が好き。
私達が知っている歴史はあくまで「こういう記録が残ってたよ~(本当かわからんけど)」というのを勝手に解釈しているだけだなって思ってるので
最初のOP曲でそういうワード入ってるのすごくよくて好きです。
第一弾で、枢軸中心(主に独)かつ全員の「こいつらこんなやつらでこういう関係で~す」というのを描いて
第二弾で、SWではヒールの中心だった英と米に焦点を当てつついろいろな国の栄光と失墜、独立、革命を描き
第三弾で、いろいろな国の独立や革命を見て葛藤があった枢軸が、WW2を経て成長する
っていう三部作としての構成が美しかった。
そしてライブで「今ここにいるみんな」を描いてお別れっていうの美しかったです。
脚本も各キャラにヘイトが溜まらないというか、あんまり恨みつらみはない感じで描いてるところとかも気持ちよく楽しく見れてよかったな~って思います。
ヘタリアで舞台やるとして、WW1~WW2、米独立まわり、独統一まわりをやるのは正しいしわかるよな
そのへんやると極東がわりと蚊帳の外になるけどまあうまいことまとめててすごいな…って思った
あと本当に英と仏はどこでもだいたいそこそこのポジションにいるので強いよな
舞台作品なわけだから、ある程度全体的に出番を調整しなきゃな部分もあるんだろうけど、なかなか抗いにくい史実の壁があるなかで、
うまいこと幕間っぽいの挟んだり、ストーリーテラー役になったり、関連のある要素をいれてでてきたり、回想の際にその時いないキャラに別キャラやらせたりとかもおもしろかったしよかったな
(独統一にどうあがいても出るのが難しい極東兄弟と米と独)
独統一の部分が基本的には普の日記っていうとこもなんかよかったな。あくまで普の日記という体。
そして「読者も登場人物になりきって読んでみよう」というあれがあるのもよくて
なんかいろいろはちゃめちゃでも「読者が登場人物になりきってはちゃめちゃしてる」と思えたりするので楽しかった。
というか歌劇パートが全面的に好き。
あと神ロと独のニアリーイコールかつノットイコール的な描写が好きだった。夢の中で混同している描写っていう…。
・伊。ちゃんと主人公しててよかったしほんとうにかわいかったしかっこよかった。独とのやりとりが「かわいい…よかった…」となれるのなんだか幸せだった。
・独。独も主人公だった。力強くてタフだけど苦労しがちでかわいそうでかわいかった。
・日。話し方とか表情とか日本さんだったな。つよさとおもしろさがあった。
・米。フリーダムで無茶ぶり野郎で実力もあって米だったな…。
・英。原作の3倍くらいつよかった気がするけどちゃんと英だったので不思議なキャラだよな。
・仏。自由だけど頼れるおにいちゃん。おじさんみがあって好きだ。
・露。すげーかわいかった。純粋さがつよかった。あと心がタフ。
・中。ひたすら苦労しててかわいそうでかわいかった。いろんないざこざにまきこまれるか若干蚊帳の外気味。でもおいしいとこももってく。
・墺。お歌がうまくて話し方も歌うようで動きも優雅で麗しかった。マリアテレジアと若い仏に振り回されているとき、かわいそうで愛しかった。
・西。ずっとにこにこしてて楽しそうでかわいかった。仏と悪友やっててよかった。
・普。ポジションがポジションだから基本ひとりで楽しそうに語ってるところもよかったな。
『モブサイコ100』を読んでいたときの感情のおぼえがき
自分の好きな漫画『モブサイコ100』についてのおぼえがきです。
主に霊幻新隆の話をしています。
わりと序盤からREIGENまでリアルタイムで連載を追って完結まで見届けた身なのですが、アニメで作品を知って原作を読んだ方に「どういう感覚だったのか話を聞いてみたい」と言われました。
私も逆の立場だったら確かに気になると思ったのでせっかくだったのでTwitterのログやら見返しつつ当時の感覚を振り返ってまとめてみました。
実際の当時の感想ツイートとかは「おもしろい…おもしろい…」くらいしか言ってないのですが、いま改めて言語化するならこういう感情だったんだろうと思えるので、呟いていた時期などみつつ、なんとなく残っている感覚をまとめた感じです。
当時の感想って探そうと思ってもなかなか探せないですし、なによりも「リアルタイムで読んでいた人の感覚」って本当に経験していないとわからないものだと思ったので。
あくまで私個人の感想なのと、かなりうろ覚えの部分もあるのでそのあたりご了承ください。
ちょうど村田版ワンパンマンの連載がはじまって話題になっていた頃に友人に勧められて村田ワンパンマン、ONEワンパンマン、モブサイコ100と読みました。ネットで全部無料で読めるものだったのが気軽に連載を追えた理由ですね。
1巻発売少し前くらいのタイミングで裏サンデーで読めるところまで全部読み(テルキ編中盤くらいまで?)、かなり序盤の時点で霊幻が好きになり、「モブくんと霊幻の関係いいな」と思っていました。
上手く言えないのですが、ああいった少年主人公の近くにいるうさんくさくてよくわからないが、それでいて主人公にとって都合の良いポジションにおり、都合の良いムーブをしてくれるコメディリリーフの大人ポジションのキャラクターが好きで、そういう想いで好きでした。
そういうキャラクターって都合の良い行動をしてくれるからといってキャラクター性にブレがあるというわけではなく、そのキャラクターの性格が「そういう性格をしている」ところが好きで、自分勝手な行動をとれる立場にいて大雑把ゆえにおおらかだけど常識はあるみたいな…。
都合の良い行動をしてくれるが、その人物らしい行動をとっている。そしてその人間性が好き。
少し違いますが、わかりやすい例をあげると名探偵コナンの毛利小五郎みたいなそういうキャラクターです。
あといい人なのか悪い人なのか、モブくんを利用しているのか何か別の事情があるのか「わからない」ところに(こちら側が)拗らせる要因があったなと思います。
原作序盤の霊幻は「たまに出てきてなんかおもしろいことして、いいことなんだかそうでもないんだかよくわからないこと言って去る」みたいなキャラクターで、正直「メインキャラぶってる脇役」という印象がありました。
でも「そこ」が好きで、わりと長い間出番がなかったとき(生徒会編~第七支部突入編)も「霊幻はああいうポジションのキャラで、こういう真面目な話には介入してこないんだろうな」と思ってました。
第七支部編が終わるあたりまで『モブサイコ100』という漫画がどういう漫画なのかをよくわかりきらないまま「おもしろい…しんどい…」と言いながら毎週読んでいました。1~6巻までの内容を1年以上かけて連載を追っていたと思います。
正直かなり「闇の漫画」と思ってしまう部分も多く、しんどかったです。
ただ「モブくんの兄弟(律)関係とか友人(テルキ)関係とか、超能力バトルとかがメインなんだろうな。そうなると霊幻はああいう感じでちょこちょこ出る感じなんだろうな」と思っていました。
ところが第七支部編ラストで霊幻は来るわそこからの希望溢れる光展開やら何事もなかったかのようになんだかおもしろおかしいような除霊バイト編がはじまるわ(しかしやっぱりしんどい要素があったり最上編でものすごく苦しむ)で、「本当にすごい漫画だ!」と認識しなおした気がします。
うまく言えないのですが、第七支部編は王道少年漫画みたいな展開だと思って読んでたのですが、それをひっくり返されましたし、そこから「爪本部」と戦っていくバトル展開になるのかと思いきやそうならず、すっと日常に戻る感じが不思議だけどむしろ納得できて、すごかったです。
ですが、第七支部編ラストで霊幻が来たことで、それまで自分の中にあった霊幻新隆像は崩れさってしまい、ですがよりすごい霊幻新隆という存在を提示されて喜びましたが戸惑いましたし変なショックもありました。
しかしその後の除霊バイト編と最上編がものすごく通常運転かつ「大人」感の強い霊幻新隆で、より好きになってしまいました。
そしてその後のホワイティでものすごく霊幻新隆を掘り下げられてしまい、漠然とあった(漠然とした存在であってほしかった)自分の中にある霊幻新隆像をぶっ壊され、混乱と戸惑いと興奮でめちゃくちゃになった記憶があります。
でも結局霊幻新隆は最高の存在だということは揺るがなかったので、おそろしかったです。
霊幻新隆、あれだけ掘り下げられたにもかかわらずいろいろな解釈があるというか、「やっぱりなんだかよくわからないな」という部分があるのすごいなと思います。
もっと細かく書きたい部分もあるのですが、このくらいで割愛しておきます。
ホワイテイ以前はどこか「過去」になってきたためこうやって気持ちをまとめることができるようになってきたのですが、それ以降はまだ飲み込みきれてない部分があってうまくまとめられる気がしないです。
『REIGEN』の完結まで読んだとき、序盤から霊幻が好きでモブくんと霊幻の関係が好きだったことが最終的にこんなに報われるなんて思っていなくて、混乱しながらも満たされた感覚が残っています。
よかったって思ったし、もう大丈夫なんだなって思えて、作品はもう終わったんだけど彼らはこれからも続いていくんだなって思えて、報われてしまったなと勝手に思いました。
やはりまだ最近のことは飲み込めてないのでまとめられませんね。
下記は『REIGEN』読み終わったときの自分のツイート(鍵垢)の一部なんですが、つらそうですね。
・霊幻まじむかつくのが、本当にこれ以上俺の好きなキャラにならないでほしいというか……最初から好きで、紐解かれても好きで、最終的にも好きだったのに、スピンオフでまだなお好きになってしまって、自分の好きという感情に伸び代があったことが恐ろしい。ていうか霊幻の伸び代がおそろしい
・なんていうか、最初に好きになった霊幻は私のことを裏切ったけど、裏切った霊幻にもまた裏切られて、かと思ったら最初に好きだなって感じた部分がやっぱり残ってたし、そしてさらに良くなってしまったので、もう、だめだ。
・ほんとに最後の最後でひとりで勝手に報われた気がしちゃって、しかもそれに至るまでの過程をあれだけきちんと描かれたうえで報われてしまったので、もう何も求められない。
・報われなくてもよかったし、報われるつもりもそんなになかったんだけど、ずっと好きだった自分がめちゃくちゃ報われてしまった。全ての霊幻が好き。成長する過程でそのときに私が感じた霊幻新隆全部が好きだ。
・悲しい。これでほんとうのほんとうに終わりだなって感じたので、おわりなんだと思う。あえていうならもっと別のキャラのスピンオフとか読みたいなとは思う。でもおわりなんだね
この他にリアルタイムで読んでいたときの感覚の中で鮮烈に残っているのは将くんで、初登場から別れまでで、律くんを闇の方面にひっぱり込む「やばい奴」と思っていました。
実際再登場まで長く、忘れたころ(しかもマラソン大会というとても良い話のとき)に現れてあんなことになったときは「モブサイコ、今度こそやばい展開になるのか…」と絶望した記憶があります。
だからこそああいう子だったことにものすごくびっくりしました。
律くんって所謂闇落ちフラグがけっこう立つのに、実際はそんなことはなかったり持ち直せちゃったりするのがすごい。
あと生徒会編あたりで、うさんくさい大人(霊幻)にはした金で利用されているモブくんと、怪しい大人(密裏)にそこそこのお金をもらって利用している律くんという対比を感じていたのですが、そこはそんなに掘り下げられなかったのも意外だったというか、終わってみるとたしかにそこで「対比」させることには意味はあったけど、律くんと密裏さんに「関係性」は生まれなかったんだもんなっていうのを思いました。
それから5巻のラスト(第七支部に霊幻が来たところ)って、当時どういう反応されてたんでしょう?
私はけっこう本気で混乱しながら「双子とか…?」とか思ってました。
アニメだとそうでもないかもなんですが、原作霊幻って本当に序盤わからない部分が多すぎて、正直あの時点で「爪のボスです」って言われたらちょっと納得できちゃう部分あったんですよね…。
モブくんと霊幻の対比になる関係性とかキャラクターってけっこうたくさんあると思うのですが、全員全然違う道を歩んでいて、そしてモブくんの人生とすれ違うっていうところが好きです。
あらゆる登場人物や関係性を掘り下げすぎないところが好きですし、『モブサイコ100』はモブくんの物語なんだなって思えて好きです。
こういった形で、実際に連載初期からリアルタイムで連載を追っていたため、本当に時間をかけていろいろなことを考えながら楽しんでいました。
時間をかけて連載をおっていたこと、交流をしたり感想を探したりしなかったことで、自分だけで楽しんでいた部分がおおく、思い入れはかなりあります。
Twitterで感想を探したり、同じファンの方たちをフォローして交流するという発想は当時はなかったです。
なので当時リアルタイムではどういった反応がされていたのかはよくわかっていません。
今思えばもったいなかったような気もしますが、たぶん他の方のリアルタイムな反応を見るなどしていたらここまで拗らせていなかったのかもしれないです。
アニメ化したときにようやくいろんな方の感想を見てみるようになりました。
アニメ化決まったときに「最高の作品だけど、なんで?」と思った記憶があります。本当に思い入れの強い作品だったため、微妙なアニメ化をして微妙な気持になるのが嫌といった不安が大きかったのだと思います。
ですが、すごく良いアニメ作品に仕上がっており、作品の出来のおかげでモブサイコを好きになったひとがとっても増えたのがうれしかったです。
アニメ化のうれしかった点はいくつかありますが、「好きだった作品をもう一度新鮮な感情で楽しめる喜び」が大きかったと思います。
原作は読めば読むほど面白いとはいえ、新鮮な気持ちで楽しめる回数は少ないと思います。それが別の媒体で再構築されることで新鮮な印象で見れることがうれしかったです。
漫画の彼らとアニメの彼らは「だいたい同じだけどけっこう違う」と思うのですが、そうやって「アニメの彼ら」というものができたこともまたうれしかったです
すごく妙な話なのですが、アニメの最初のキービジュアルがモブくんと霊幻とエクボだったときに「霊幻もいるんだ」とか思いました。
あらためて考えればモブサイコ100は「モブと霊幻の関係」がかなりキーになっているのに、地続きで追っていたことや、先の読めない面白い展開を追うことに精一杯だったためか、微妙によくわかっていなかったです。
「モブくんの物語」とは思っていました。なので1期の2番目に出たキービジュアルのほうがイメージではありました。
個人的にモブくんと霊幻の関係が好きだったため自分の色眼鏡があると思っていたからこそ、公式からも出されてびっくりしたみたいなとこもあります。
アニメがすごく上手く構成されていて、最初に「これはこの2人の物語です」と提示してくれたおかげで、あらためて「そうなんだ」と思えました。
アニメは構成がうまくて、気づかなかったことにあらためて気づけることが多くてすごかったです。
2期のキービジュアルが「視点が違えば世界は別物」がコンセプトのもので、最上編での台詞だったのでそういう受け取り方をしていた部分が大きかったのですが、あらためて聞くとモブサイコという作品をよく表している言葉だったんだなとか。
余談ですが、私がモブサイコをずっと好きな様子を横目で見てきた友人が、知らない間にマンガワンアプリでちまちまモブサイコを読んでいたときの感想が「あなたがずっと霊幻が好きって言ってて、アニメのキービジュアルとかもああいう感じだったけど、霊幻さん脇役じゃない?途中で出番増えたけどさ。」(連載が神樹編の頃でアニメは見てない)と言われたときもなんだかおもしろかったです。
もうひとつ余談ですが『死神タクシーと僕』っていうパソコンゲームが好きです。
ファンが作ったモブサイコのノベルゲーなんですけど、作成されたのが序盤(生徒会編~第七支部突入編あたり)だったため、霊幻の描写がその時点での印象で描かれてたりして好きだったりします。
そして2019年4月にリメイク版が出て、そのリメイク版には霊幻のエピソードが追加されていて、当時からのファンの愛を感じられてよかったです。
話をそらしますが、モブサイコ100に出会ったタイミングで『ジョジョの奇妙な冒険』にもはまっていて、一通り読んで4部の岸辺露伴が好きでした。
そしてモブサイコ100とジョジョ4部が近いタイミングでアニメ化されて、キャスト発表の時期もやや近かったのですが、本命キャラの声が揃ってCV櫻井孝宏になって混乱していました。そして原作が好きで同時期にやっていた『3月のライオン』の好きなキャラもCV櫻井孝宏で、油断していたためかなりうろたえました。
「ここ3年くらいずっと好きだった作品がアニメ化して、その作品の本命キャラの声が揃って櫻井孝宏なのはなんつーか、
ほんと頭と口の回るプライドの高いいい性格の男似合うんだなっていうのと、自分はそういうキャラ大好きなんだなっていうのと…」
2016年2月10日のツイート(鍵垢)なんですが、この時期のツイートだいぶ苦しんでて我ながらかわいそうでした。
そしてプレイしているソシャゲで期間限定高レアキャラにCV櫻井孝宏のキャラがいたのですが、そのときの話を漫画にしてたので載せときます。
好きなキャラが揃いに揃ってCV櫻井孝宏になっていろいろと苦しんでいたときに周りの友人に同情されながらもからかわれるなどしていました。いろいろなことに付き合ってもらったり一緒に作品を楽しんでもらったりしてくれて感謝しています。
完全に話はそれますが、その一年後くらいにイスカンダルを引いて、モブサイコのアニメ2期が終了した後PUがあった土方歳三を引くなどして、自分のいろんな意味での引きの良さに感謝しました。
全然関係ないのですが、芹沢さん役の星野さんは、すごく好きで思い入れのある同人ゲーム「図書室のネヴァジスタ」のリーディングライブの主催と演者をされていて、それを観に行った記憶が強く残っていたのですが、その数年後にモブサイコという自分の好きな作品のけっこうメインどころのキャラクターになっていたことが、なんだかうれしかったです。
これは本当に個人的な思い入れだけの話です。
なんだか書いているうちにどんどん長くなってしまいました。
正直モブサイコのことだったらいくらでも語れる気がします。
どう締めたらいいのかわからないのですが、『モブサイコ100』は本当に好きになって人生が潤った最高の作品です。
この作品を通していろいろな感情に出会えましたし、知見が広がったなと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
(1/27 ちょっと追記しました)
REIGEN完結したときに描いた絵が気に入ってるので載せておきます